男女関係のもつれで転職しました
「ぽんぶー、あなたをツボ錬金ギルドから追放します。」
ツボ錬金ギルドマスター、マスター・ポーリアは言った。
私は彼女の目を見て微笑んだ後、静かにうなずいた。
私は今年5月にドラクエ10を開始してからずっと、ツボ錬金職人を続けてきた。
メイン金策なのでギルドにも毎日のように通い、いつの間にかレベルは41になっていた。
マスター・ポーリアは常に私を応援してくれ、そのおかげでツボ錬金職人としての私は「生きる伝説」とまで呼ばれるようになった。
二人三脚でツボ錬金の道を歩んでいく過程で、私とポーリアは次第に心を許し合い、彼女はかなりプライベートな事まで私に話すようになっていった。
彼女の話によく出てきたのが、トルバンという男性だ。
先代のツボ錬金ギルドマスターであり、ポーリアが尊敬し愛する男である。
トルバンは長いこと流浪の旅に出ており、彼女はなかなか彼に会うことができず寂しい思いをしていた。
そして、私はそんな彼女の悩み相談にのっていた。
だが、これがいけなかった。
私とポーリアが親しげにしているというウワサを聞いたトルバンが、激しく嫉妬したのだ。
トルバンの嫉妬の呪いの力は恐ろしく、私自身のために大事な大事なセイクリッドソード星3つを錬金した際、初っぱなからパルプンテを引いて「攻撃時4%でどく」が付いたほどだ。
普段はポーリアを放っておいているくせに、いざ他の男に奪われそうになるとそれは絶対に嫌。
トルバンとは、なんと勝手な男だろうか。
実際、私とポーリアの間には何も無い。
グレイツェルさんが理想の私にとって、ポーリアはそれほどタイプではない。
ポーリアだって一途にトルバンを想っており、私とは親しくなったとはいえ、あくまでツボ錬金職人としてのつながりに過ぎないのだ。
しかし、そういったところがトルバンにはわからない。
私との仲をトルバンに疑われ、思い悩んだポーリアが出した結論、それが冒頭のセリフ、私をツボ錬金ギルドから追放することである。
マスター・ポーリアはツボ錬金ギルドマスターである前に、一人の女であったということだろう。
ツボ錬金ギルド追放を告げるポーリアと数秒視線が合った。
それだけでお互いが理解し合い、私は何も言わずツボ錬金ギルドを後にした。
見上げたレンドアの空は暗かった・・・
要約すると、「防衛軍の影響で武器が売れなくなったんでツボ錬金を廃業しちゃいました。」ということだ。
1,000文字!!!
お前が無駄に書いた文字数1,000!!!
いいかげんにしろっ!!!
そして、裁縫ギルドに再就職した。
裁縫職人ぽんぶー、ゼロからのスタートだ。
まぁ、こっちも白宝箱の影響で以前よりは厳しくなっているんだろうけど。
もう過去のことだ、マスター・ユービア。
裁縫ギルドを見回してみると、ツボ錬金ギルドとは随分雰囲気が違う。
みんなオシャレな気がする。
自分でドレアを作れるからだろうか。
ギルドに来た時は1枚目の写真のいつもの格好だったのだが、あまりにも浮いていて怒られそうで2枚目では一張羅を着ている。
裁縫では作る物ごとの各箇所に基準値が設定されていて、各箇所を少しずつ縫っていきながら(数字を減らしていきながら)全てを基準値に近づけることを目指す。
下の写真は「きじゅつしの服」だが、縫う箇所が9箇所あり、それぞれを「ぬいパワー」と「特技」の組み合わせを考えながら縫っていく。
「ぬいパワー」は弱い・ふつう・会心・強い・最強の5種類あり、縫う力(数字を減らす量)が違う。(ふつうと会心は力自体は一緒だが。)
この5種類は作る物ごとに決まったサイクルでターンがまわってくる。
「特技」は複数箇所を一度に縫ったり、縫い過ぎた箇所を復元したり等できる。
先ほどの裁縫ギルドは雰囲気が違うという話、一番違和感を感じたのがオガ男が全くいないことだ。
レベル上げのため、既にけっこうな時間を裁縫ギルドで過ごしたのだが、全く見かけない。
実は、これには理由がある。
オガ男だけ裁縫のやり方が違うのだ。
この違いにより、オガ男が裁縫で儲けるのは非常に難しくなっている。
まず裁縫道具だが、通常は「さいほう針」を使う。
しかし、オガ男は「ホチキス」を使う。
皆がチクチク縫っている横で、オガ男だけは布をガチャコーンガチャコーンとホチキス止めしていくのだ。
また、先ほど「ぬいパワー」には5種類の力の段階があると説明したが、オガ男だけは「最強」の1種類しかない。
力を加減するという概念が無く、常にフルパワーだ。
そして余った布は縫って調整するのではなく、特技「破く」を使う。
破ける範囲の振れ幅があまりに大きく、最悪の場合、真ん中から真っ二つに切り裂かれる結果となる。
最後に基準値からどれぐらい誤差が出ているかは一切関係無く、必殺技「着られれば何でもいい」を使えば星ゼロの品物が完成する。
これがオガ男の裁縫だ。
きじゅつしの服の星ゼロがバザーに出ていたら、それは私かもしれない・・・
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