お前なんでダンジョン突入しちゃってんの?
愛しのアンルシアさんに別れを告げ、真のメルサンディ村に向かった、ぽんぶー。
グランゼドーラ城から旅立つ時、アンルシアさんはテラスから私を見送っていた。
振り返らずに歩いて行く私。
テラスから見つめるアンルシアさんの視線を背中に感じる。
それでも振り返らずに歩く。
そしてアンルシアさんが「このままこちらを見ないで行ってしまうのね・・・ぽんぶー・・」と思った、そのタイミングで・・・
振り向き、手を振る私!
って、いねーのかよっ!!!
うそ?アンルシアさん、かなり早い段階で部屋に戻ってたの??
恥ずっ!
どうすんだ、この空振りの手。
誰か見てたら恥ずかしいから、とりあえず遠ぉぉくの方の人と挨拶してる風を装っておこう。
さて、真のメルサンディ村に着いて、まずは偽りのメルサンディでミシュアちゃんとラスカが暮らしていた家に行ってみた。
こちらの世界では、このアイリさんという女性が暮らしていた。
見知らぬ武装した屈強なオーガに2階のテラスまで踏み込まれているにもかかわらず、「ようこそ」とは・・・
あなた、よっぽど腕に自信があるみたいだな。
ステータスこそ見られなかったが、その立ち居振る舞いから、こうげき力・しゅび力ともに1,000オーバーの気を感じた。
装備の白いワンピースやカチューシャにも、相当な錬金効果が付いていると思われる。
武器を持っていないので、おそらく格闘系。
自己紹介をしている間も、コマンドは「ばくれつけん」待機になっており、こちらの出方をうかがっているようだ。
「初対面の人間にいきなり頼み事をすんな」とこのブログでどれほど言ってきたことだろうか・・・
それ自体は色々都合があって仕方ないのはわかるのだが、アイリさんの言い方は「あなたなら私の悩みを解決できるだけの力はありそうね」と、ちょっと上からきてる気がするのだ。
それに「お願いしたいことがある」のに、それを「あなたなら私の悩みを解決できる」と遠回しな表現をするのもよろしくない。
いいか、アイリさん。
お手本は、このフィーロ君だ。
「旅人に頼むのは気が引ける」という思いを伝えて、その上で「お願いがある」をストレートに言う。
完璧だ。
アイリさんのせいで、このブログを読んでくれている方々に「ぽんぶー、めんどくせぇ奴だな」と思われてしまったじゃないか。
アイリさんは、紙芝居屋のラペットおじいさんにパンを焼いて届ける約束をしていたが、材料の小麦をミニデーモンに盗まれてしまって困っているという。
大事な小麦を盗んだミニデーモンに「さん」を付けるわりに、盗んだ事実だけをもって存在そのものを「悪い」と決めつけるんだね・・・
私はアイリさんが少々苦手だったが、アイリさんが待機状態の「ばくれつけん」をちょいちょいチラつかせてきていたため、しぶしぶミニデーモンから小麦を取り戻してくることにした。
取り戻してくると、早速パンが焼き上がった。
家の前の広場までパンを届けることもできないほど、体の具合が悪いのか・・・
それは本当に可哀想だ。お大事にね。
なんか、色々言ってごめんよ。
紙芝居のラペットおじいさんにパンを届けると、英雄ザンクローネのお話の紙芝居が始まった。
このザンクローネの物語を書いた童話作家パンパニーニは、アイリさんの祖父らしい。
パンを届け終わってアイリさんの家に戻ってみると、アイリさんの世話役のルーデおばちゃんが慌てていた・・・
なんだと?!
うん、ウサギさんは一旦置いといてさ、
家の目の前の広場までパン届けられなかったあなたが、直後に何でダンジョン突入してんの??
急に咳してんじゃねぇ!!
今、私と普通にしゃべってたじゃねぇかっ!!
私が紙芝居のじいさんと話してる間にここまで来られるスピードから考えて、あなた元気だよね?
走ってここまで来たよね?
いたずらウサギを追って危ない目にあうアイリさんだったが、突如現れた英雄ザンクローネに救われる。
メルサンディの村に戻り、アイリさんの無事をルーデおばちゃんに報告。
その冗談で笑うのに、私の浮き輪はスルーなんだね。
この世界の人達のモンスターとの関わり方がよくわからない。
恐れる一方で、モンスターのパン作っちゃうんだ。
まあいい、とりあえずその「とびきりのお礼」をもらおうか。
「せいれいせき」1個だと?
バザーで100Gだぞ?
「とびきりのお礼」のフリからの「はい、アメちゃん一つ」でオチのおばちゃんギャグかましてきやがった。
私にその様な冗談は通用しない。
「CLEAR!!」の表示に隠れてしまっているが、この裏では私がルーデおばちゃんにグーパンチを食らわせている。
翌朝、パンをつまみ食いするザンクローネを怒るアイリさん。
このポーズで「怒っていること」を表現するアイリさんを、私はどうしても好きになれない。
私の中ではセラフィさんと同じカテゴリーに属する人だ・・・
リアルの世界でこのカテゴリーに属する女性に騙されてはいけない。
本人はちゃんとわかってやっている。
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